続.Conditional Monte Carloの金融工学への応用
前ブログの定理の証明を書きます。
この証明のキーポイントは
(1)
という式を示すことです。実際、
が成り立つことに注意すると、(左辺はサンプルから推定したVaRボーダー、右辺は実際のVaRボーダーについての式ですね)
となり、(V~N(0, 1)です)この式を変形すれば示せます。
を連続とします。
をみたすがとの間にあります。
を広義単調減少と仮定すると、十分大きなRに対してなので
がそのRに対して成り立ちます。
この式との一致性より、
となり、(1)式が示せます。
この記事を読んだ方の中には、が与えられた中でのの条件付き分布の分位点を、R回繰り返す、という方法をとったほうがより単純にVaRを推定できるのでは?と思うかもしれません。しかし、この方法での推定値はにしてもバイアスがあります。
これはi.i.d.でN(0, 1)の例を考えれば単純で、推定値は
()
となりますが、
が正しい推定値です。